さて、前日にフル洗車を行って、ほぼチェーンやスプロケットに付着した汚れは

除去出来ました。汚れがほとんど付着していない状態から自転車に乗ることで、一

回あたりの自転車走行における汚れの付着を視覚的に把握できる機会が得らまし

た。

 では、確認してみましょう。今回はイノテック105を使った注油と前段におけ

る簡易清掃の紹介、さらにチェーンの汚れを白地の生地でふき取ることで汚れの総

を把握出来るように努めました。

 はい。もうご存知の方も多いはず。ロードバイクの潤滑油の最終形態、畢竟とも

言われ、評判も高いイノテック105です。私もずっと粘度の高い所謂ウェット系

言われる潤滑剤を使ってきました。ただ、あまりにも汚れるのが早く不快であった

為、いろいろなメーカーの物を取り寄せては試行錯誤しながら使ってきました。しか

、これはいいなという代物にはなかなか出会うことは出来ませんでした。

 諸般事情もあってここ数年は自転車にまたがる機会も滅法減ったこともあって、

自転車に関する流行にも疎くなりつつあった中、『これはいいよ』とのネット上の

評判を見て購入・使用に至った訳であります。

 

 

  イノテック105      メンテルーブ

  潤滑性能★★★★     潤滑性能★★★★★

   耐久性★★★       耐久性★★★★★

  耐摩耗性★★★★     耐摩耗性★★★

   静穏性★★★★      静穏性★★★★★

  汚損度★★★★      汚損度

  維持費★★★★      維持費★★★★★

 

 

 比較対象として競争他社の名を挙げるのは憚りますが、和光さんのメンテは定評

があります。今後も各部パーツの注油に使うことは勿論、他の用途での市場シェアで

幅を利かせておりますし、180mlのスプレー缶を買ったら3年くらい普通に

ちますから、案外自転車においての利益は多くないのかもしれません。

 ここ最近ずっと使ってきた感想としての評価は上図の対照表になります。やはり

イノテック105は粘度が低い為、耐久性(耐水・防錆・持続性)に劣るよう

ます。ただ、不思議な事に潤滑性能に見劣りは感じません。やや静穏性に

欠けるものの変速やチェーン潤滑における性能は他社と比較しても引けを取りま

ん。汚れが付着する絶対量が小さいので、それに比例して大きな付着物も少なく、

それが耐摩耗性能の高さに繋がっていると考えられます。ただ、粉塵によって金属

品がどの程度磨耗するかについての工学的知見は持ち合わせていないので、その

はご容赦下さい。

 総評としては、非常に難しく甲乙付け難いといったのが正直な感想で、どちらも

一長一短あるので、個々人の利用形態によってその都度選択するというのがある種

正解なのかもしれません。


 

 今日は早朝から荒川の彩湖周回コース(埼玉県/戸田市)に向かいました。休日

ということもあって、朝の7時でも沢山自転車に乗ってる人が居まして、ただ残

念なことに梅雨のシーズンにあたっていたため路面はウェットで所々浸水している

場所もあったりしました。

 走行距離は48km、時間でいうと約1時間半といったところです。水しぶき

を浴びますと正確に汚れを確認できないので、今回は完全なドライコースのみを

往復して走ってきました。そうですね、見た感じチェーンの汚れも確認できませ

んし、全体的にフル洗車した状態と変わらないように感じます。結果はどうでし

ょうか?

 簡易洗車の方法を紹介すると冒頭で書きましたが、持論として、自転車に乗っ

た後15分清掃する時間を設ければ常に自転車は綺麗な状態を維持すること

が可能で、水を使っての大掛かりな洗車は必要ないのではないかと最近思い至り

ました。なので近は自転車に乗ったあとは必ず自転車を掃除するようにしてま

す。まあ室内保管、雨天NGでの利用環境ですから、別途街乗りで利用するロー

ドバイクは完全ーメンテ・放置です。

 なんか文字が多くなってきましたね。ここからちょっとピッチを早めますか。

はい。濡れたタオルでフレームとタイヤ、リムを掃除しました。


   

 

 だらだらと文字が多くなりました。失礼致しました。真剣にここからピッチを

早めましょう。イノテック105の添付の前にチェーンの汚れを濡れたタオル等

で拭き取ります。クランクは時計の12時又は6時の位置から始めて下さい。

ランクが斜めの状態でチェーン清掃を始めると右の画像のようにクランクとペ

ルが邪魔になってきますので、12時又は6時の位置から清掃をはじめること

を勧ます。プーリーからアウターギアの間で無理のない程度で2往復程度すれ

ばいしょう。スプロケットは予めトップギヤに、フロントはアウターに入

れては言うまでもありません。

 

     

 

 今回は6時の位置からスタートしたのでペダルを手でつかみ12時方向に逆回

転させます。

もうお分かりだ思いますが、私のように52×12のギアでこの掃除をすると、

クランクを10度移動した時のチェーン区間とプーリーからアウターギヤの掃除

きる区間がほぼ同じ距なんです。ですから、クランクを2回転、合計で720°

回転させることでチーンの汚れを簡単に拭き取ることが可能なわけです。私のフ

レームはホリゾンタル換算で540サイズなので、極端にサイズが違わない限りチ

ェーンステーの長さは変わらないと思います。自転車によってはこの掃方法が出

来ない場合もあるのでそこは自己流で開発願います。

 ほぼ完全に洗車したあとの1時間半の自転車乗車で概ね画像のような汚れが付

着することがわかりました。当然とりきれてない汚れがあることを考える、一度

自転車に乗るだけで相当量の汚れが潤滑油に付着すること分かります。

 

 

 

 自転車のチェーンが黒色化する要因については別の機会で考察してみるとして

イノテックを顕微鏡で100倍に拡大したのが左の画像です。接眼レンズに直付

けで撮影してるので若干ぼやけてますが肉眼だともう少しはっきり見えます。無

色透明ですね。不純物等は特に見受けられません。

 そして右の画像が自転車に付着している汚れをプレパラートに載せて1200

倍で拡大したものです。言うまでもなく微細な粒子が付着したことによって汚

れとして認識でき、それが転車部品の各部に堆積します。


   

 いやー長くなりました。やっとイノテックの注油に移ります。まあこのイノテ

ックの情報はネットに溢れているので改めて説明する必要もないかと思います。

適量を付属のブラシでチェーンに塗ります。ボトルの先端にブラを差し込ん

でそのまま使えるというのが正規の使い方のようですが、やはり適を注油する

には難しく、少ないか出過ぎるかのどちらかになります。なので私コーヒー

リーの空きカップに適量を注いでから、ブラシ部分を手に持ってチーンに塗

ています。ただ、ブラシの穂先が開いてくると抜けて使えなくなるで、別途

備でストックするのをおすすめします。使い勝手でいうと歯ブラシもいいと

いますけど・・・。

    

 塗り方はとくにないですかね。チェーンの接触部分である内側に適量を含ませ

要領よく塗布します。私の場合一回で使う総量は500円玉くらいですか。ちょ

っとよく分かりませんが5回作業を繰り返すのであまり一度に付け過ぎずに。あ

と、慣れないとブラシで汚れが床面に噴霧した様になって大変ですから、簡易洗

車で使用したタオルを私は一応敷いてます。慣れてきたらチェーンに注油するの

と同時に下側にカップで受ければ床面の汚れは最小限に抑えられます。

 クランクは前述で紹介した掃の時の要領で6時の位置と12時の位置を繰り

かえします。プーリーからアウーギアの塗れる所までを5回繰り返せば概ね終

了です。クランクの回転で置き換えると丁度2回転です。


    

 

 大変長くなりました。イノテックは十分な乾燥を必要としますがあまり気に

たことはありません。ちなみに私の場合はここまでの一連の作業に加えて上

プーリーも指で挟んで掃除し、チェーンの外プレートの余分な油を

ーム回しで拭き取り、アウターギアに付着した余分な油分と汚れもタオ

します。こうみると、一回自転車に乗るだけでかなりチェーンなどの箇所

が汚ることが分かります。


 

 長らくお付き合い下さいましてありがとうございます。だらだらと文章を書

き綴ってきましたが、この一連の作業も慣れると10分から15分で終わり

す。自転車を持ってきてから汚れをタオルで掃除して、洗って、干して、全

部片付ける、この一連の作業が慣れれば12分ほどで終わるのです。ちなみに

路面状態がよくフレームがあまり汚れていない場合で急いで掃除すると、

9分(内訳タオル洗濯5分それ以外4分)で終わりました。このの作

でかなりきれいな状態を維持した自転車に乗れる、このメリットの為

間を投資しているのです。簡易清掃を繰り返せば限りなく堆積される

は除去され、ほんとにフル洗車が必要ないのではないかと思うことさ

す。

 

 どうでしたか?ひとそれぞれの価値観の中、注油一つとっても差が生じると

いうのはある意味面白いものです。今回の注油作業の紹介で参考になるような

事例があって、快適な自転車ライフを送る一助になれば幸いです。ではまた。

 


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