【自転車の部位別飛散状況の確認3】
フレームにどの程度砂塵が飛散しているかについては前回の検証で確認がとれ
ました。そして、よりチェーンに塗布された潤滑油と条件を近づけるために、両
面テープに潤滑剤を塗って、同じ条件のもと再度付着物の確認をしました(画像
8、9)。貼り付け位置は⑥、⑦同様飛散程度が大きくチェーンとの距離が近い
ダウンチューブとしました。
結果、粘着性によるものなのか、不思議なことにダウンチューブの同じ場所に
貼り付けたにも関わらず明らかに付着物に変化がみられ、黒い粒子のようなもの
が比較的多く付着しているのが確認出来ます。
【自転車の部位別飛散状況の確認4】
更に条件を近づけるために、インナーチェーンリングに模擬チェーンをタイで固定
し、同一条件下でどのような付着物が見られるのかを確認したのが上記画像です。検
証にあたってはインナーチェーンリング、模擬チェーン及びその周辺を綿密に清掃し
、検証後チェーンの付着物を綿棒で擦り取ると黒い物質が付着しており、指で擦ると
黒い尾が伸びるのが確認できました。
【総論】
これまでの検証・考察結果から考慮すると、恐らく、自動車の排気から飛散した煤
(すす)が前・後輪のタイヤの回転によって巻き上がり、チェーンに付着した後にギ
ヤとの摩擦によって潤滑剤に浸潤し黒色化した、こう考えるのが合理的かと思われま
す。雨天時に自転車に乗るとリムやシューが黒く汚れる点についてもこれで説明が出
来ます。また、私の場合はチェーンの外側のプレートに付着している汚れについても
丹念に掃除しており、それでも運動後には特定の箇所だけ黒色化しています。この点
については、チェーンに付着した煤(すす)がスプロケットに移り、変速によって外
プレートに付着した、こう考えるのが妥当かと思います。
「自動車の煤(すす)によってチェーンが黒色化する」、この仮説が正しいのであ
れば、煤(すす)の発生がない路面ではチェーンは黒色化しないので、①十分に清掃
した自転車で競輪場のみを走った場合チェーンは黒色化しない、②十分に清掃した自
転車で陸上競技場のみを走行した場合チェーンは黒色化はしない、などが想定でき、
これらのケースを試してみることで立証が可能です。簡便なシチュエーションで実験
してみるのなら、彩湖(埼玉県/戸田市)の駐車場まで綺麗に清掃した自転車を車で運
んでいって、周回コースを走れば、優位な結果が得られるのではないかと期待してま
す。多少の管理車両、ゴルフ場送迎車、夜間だと稀にバイクとかが集団で走行してま
すが、一般の車道に比べれば遥かにエンジンから発生する煤(すす)は少ないはずで
す。
煤(すす)がどの程度浮遊して移動しているかという点については不明なので、も
し風の強い日に長距離を浮遊して移動している場合は、例え自動車が走行していない
路面でも煤(すす)が停留していることが考えられますので、その場合はやはりチェ
ーンの黒色化がすすむと考えられます。
【結論】
はい。わかりません。今後も検証を続ける中で結論に至りたいと考えています。煤
(すす)の可能性は高いが、それを裏付けるだけの実証データに乏しく、断定は出来
ません。可能性として、コンクリート由来の物質によってチェーンが黒色化されてい
る可能性も残されておりますし、それ以外も当然考えられるでしょう。
有用な結論が導き出せず大変恐縮ではありますが個人で検証できるのはこの辺まで
かなと思います。同じような悩みを抱える方が居てその解決のヒントになればこの検
証も無駄ではなかったことになります。では、このへんで。また。
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